気管支炎 急性気管支炎

せき たん

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★ 慢性気管支炎

 どんな病気か
@ 慢性気管支炎は、急性気管支炎が長引き、その結果慢性になったという単純なものではない。

A 気道への強い刺激が長い間続いたあとで、そこに炎症のあらわれる病気である。

 外因
@ 喫煙
 たばこが肺がんの原因として騒がれているが、慢性気管支炎、慢性肺気腫の原因としても重要である。1日20本以上、数十年の喫煙が続くと、有力な原因になる。

A 職業上の有害ガス
 化学薬品を取り扱う人、鋳物をつくる人、石炭業、溶鉱炉に働く人、羊毛、木綿を取り扱う人、油を使う料理人、ヘアスプレーを使う美容師などの場合がある。

B 大気汚染

 炭素などの粉じんのほかに、石炭・石油の燃焼によって生ずる亜硫酸ガス、各種化学工場の排煙などの中に含まれているいろいろのガス、自動車排気ガスに含まれる一酸化炭素などが人体に有害である。

 大気汚染による急性の呼吸器障害に対して、わが国では「四日市ぜんそく」「横浜ぜんそく」と呼ばれるように気管支ぜんそくとしてとらえる傾向が強い。しかし、この呼吸器障害のなかには、そのほか、上気道炎や慢性気管支炎がかなり多く含まれていることも見逃せない。
 
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C その他の外因
 気候的変化、インフルエンザなどウイルス感染の繰り返し、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)など慢性上気道感染症などが原因になる。

 ★ 外因の影響と個人体質

@ 四日市の大気汚染地区の50歳以上の住民を調査した結果では、同じ環境にいながら、慢性気管支炎にかかるものは10〜20%にすぎない。

A たばこを多量に、長年吸っている人でも、すべての人が慢性気管支炎や慢性肺気腫になるわけではない。

B 蓄膿症から気管支炎や気管支拡張症を起こすものは、全体の20〜30%である。

C このように、慢性気管支炎の発生にはいろいろの外因のほかに、個人の体質の影響がかなり重要である。

D さらに、年齢によっても発病が異なり、5歳以下と50歳以上に、外因の影響が大きいとみられる。

E いいかえると、慢性気管支炎は、呼吸によって吸収されるいろいろの物質が、長いあいだ気管支粘膜に作用し、それが個人の体質や年齢的要素とからみ合って発病してくるものである。

 
★ 症状

@ 長期にわたるせきとたん
 これが慢性気管支炎の特徴である。

  国際的に広く普及したいるフレッチャー(英国の医学者)の定義によると、せきとたんが少なくとも3ヶ月にわたってほとんど毎日続き、それが2年間連続的に みられる。また、肺結核、じん肺、肺化膿症、特発性気管支拡張症などの病気が原因でない物を、慢性気管支炎としている。

 日本では、気候などの実情が違うので、せきとたんが1ヶ月以上続き、その症状が2年間連続的にみられるものと定義づける学者もいる。

A たんの性質

 初期には粘液性のものが多いが、長く続いているうちに黄色のうみのようなたんが出るようになり、ときには血たんがみられる。

B 冬に起こりやすい
 症状は寒い季節に起こりやすいのが特徴のひとつ。細菌感染を起こして発熱し、せきや膿たんが増える。

C 気管支造影検査の所見
 ふつうのX線写真では異常はみられないが、気管支造影検査というのを行なうと、気管支の異常所見がみとめられる。

D たんや血沈の検査も大切である

E 合併症
 慢性気管支炎の症状が続いていると、慢性肺気腫や気管支性肺線維症、また肺性心を併発することがある。このような患者が、冬にインフルエンザや、ひどいスモッグにあったりすると、死亡することがある。
 
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F 慢性気管支炎とまぎらわしい病気
 これには気管支ぜんそくと気管支拡張症がある。いずれの病気かの区別の難しいことがしばしばある。

 気管支ぜんそくは、発作性の呼吸困難が主で、発作のないときはせきやたんがない。老年者でせきやたんが続き、さらに“ゼイゼイ”(喘鳴)があると、ぜんそくと決めてかかることが多いが、検査すると慢性気管支炎の場合がよくある。

 気管支拡張症の症状も、慢性気管支炎ときわめてよく似ており、慢性気管支炎の結果、必然的に気管支拡張症の起こってくることが知られている。
 
 ★ 治療

@ たんを排出しやすくする
 慢性気管支炎は、たんの分泌が多く、それを排出するためにせきが出る。したがって、治療方法は、せきどめの薬を使うよりは、たんを排出しやすくするためいろいろの薬が使われる。

A 粘度の高いたんの場合
 これを溶かすために喀痰溶解剤、タンパク融解酵素、界面活性剤や気管支拡張剤を混ぜて投与する。内服薬だけでなく、大病院では吸入薬がむしろ多く使われつつある。これにはコンプレッサー吸入器を用い、1日3〜4回行う。

B 膿たん、発熱のある場合
 細菌感染を起こし、膿たんや発熱のある場合には、抗生物質が必要になる。

C たんが多い場合
 体位性排たん法といって、たんが出やすい様な体位をとることがすすめられている。

 予防

@ 早期発見、早期治療
 慢性気管支炎は長引くと治療も難しく、再発を繰り返して慢性肺気腫など難治の肺疾患がおこる。このため、早期発見と早期治療がぜひ必要である。それには 慢性気管支炎の原因となるいろいろの因子を取り除かなければならない。たとえば、慢性副鼻腔炎は、発病した若いときに徹底的に治療しておく。

A 禁煙
 喫煙も、慢性気管支炎が始まったと思ったらやめるべきである。節煙では意味がない。

 肺がん、慢性気管支炎のほか、胃や心臓の病気などの発生に問題となる喫煙を、現代の青年がわざわざ覚えることのないように望みたい。

B 職場転換
 職業上有害ガスを取り扱うなどが原因で慢性気管支炎にかかりやすい場合は職場転換で予防する。

C 公害対策
 大気汚染の場合は、個人の努力ではどうにもならない。これに対しては、国が公害対策に力を入れている。



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