呼吸器 肺気腫

息切れ 呼吸困難

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★ 肺気腫

 どんな病気か
@ 肺胞のふくらみによる呼吸障害
 肺は、種々の原因で、肺胞に通じる細い気管支が狭くなったり、肺胞の収縮性が失われることがある。このため肺胞がふくらみっぱなしとなり、ついには肺胞の組織が破壊されて、嚢胞(袋の状態)となり、呼吸の働きに障害をきたす。このような病気を肺気腫という。

A 老人性肺気腫
 50〜60歳ころから老人性変化によって肺胞が弾力性を失い。気腫状に膨らむのを老人性肺気腫という。この場合は、前述のような肺胞の破壊がないので、息切れ程度の症状で重症にならない。しかし、気管支炎や肺炎などを繰り返すと、本当の肺気腫に進む可能性が大きい。

B 年齢・性別との関係
 50〜60歳以上の男性に多い(患者全体の8割くらい)。しかし、30〜40歳代から肺気腫が進行してくる場合もあり、重症になりやすい。

C 成因
 肺気腫の原因はなお十分わかっていない。しかし、慢性気管支炎や、呼吸感染の繰り返し、慢性のぜんそくなどは、肺気腫の成因としておおいに関係がある。とくに、自動車の排気ガスや大気汚染は、肺気腫と密接な関係がると考えられている。

 その他、肺結核・気管拡張症・じん肺などの慢性肺疾患に合併していることも多い。
 また、肺気腫の患者には、動脈硬化症をともなっている場合も多い。

 症状・経過
@ 種々の程度の息切れと呼吸困難
 これが最大の特徴で、ぜんそくをともなうことも多い。
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A 初期の症状
 症状には次のようなものがある

 冬になると2〜3ヶ月もせきやたんが続く慢性気管支炎の症状から始まって、息切れがするようになる。
 はじめ息切れがあり、そのうちせきやたんをともなうようになる。
 息切れ、呼吸困難だけで、ほとんどせきやたんをともなわない。ぜんそくとして治療されていることもある。

B 症状の進展

 次のように進む。

 息切れ、呼吸困難の程度が強まる。
 食欲がなくなり、体重が減少してやせる。口唇やつめの先が紫色(チアノーゼ)になったり、指が太鼓ばちのようにふくれたりする。
 呼吸器感染や睡眠薬の服用が原因となって、精神の錯乱や意識がもうろうとなり、昏睡におちいることがある。この場合は、生命も危険で直ちに治療が必要。
 顔や手足にむくみが生じたり、くびの太い静脈が浮いたようにはっきり見える心不全の症状(重症)も起こす。また、前胸部に締め付けられるような痛み(狭心症の状態)を覚えることもある。

C 合併症
 胃潰瘍をともなうことが多く注意が必要。また、肺気腫患者の死因には、脳血栓、脳出血など動脈硬化症の病気による場合もあるので、これらの病気に対する注意も必要。

 ★ 治療と患者の注意

@ 進行を食い止める
 肺気腫は慢性の病気で進行性である。早期の肺気腫には病気としての自覚がない。息切れなどがあったら早期に診断をうけ、病気の進行を食い止めることが大切。そのため、患者も日常生活でつぎの諸点に注意する。

 禁煙する。
 寒冷な空気、ほこり、刺激性ガスなどの吸入を避ける。
 インフルエンザウイルスワクチンの予防接種を受ける。
 扁桃腺炎、副鼻腔炎などがあれば治療し、かぜに気をつける。
 精神的な安静を保つ。無理でない運動は必要。

A 合理的な換気運動
 少しでも息切れをやわらげるため合理的な呼吸のしかたを練習する。このため、息を吐き出す練習や換気体操を行なう。

 1例(息を吐き出す練習)
 まず手を腹部に置き、鼻から息を吸う。このとき腹はふくらませる。次に口笛を吹くように口をすぼめ、腹をへこませながらゆっくり息を吐きだしていく。

B 治療上とくに注意を要すること
 呼出(息の吐きだし)障害に対して、気管支拡張剤などの薬剤を気管支へ噴霧する吸入療法がおこなわれている。この治療は効果が大きいが、危険をともなうので、必ず医師の指導のもとに行なう。
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 呼吸器の感染は症状を急激に悪化させることがある。喀痰の増加や膿たん、発熱があったら、ただちに医師の治療を受ける。
 ぜんそく状の呼吸困難にさいし、患者がかってに副腎皮質のステロイド・ホルモンを使ってはならない。
 呼吸困難にさいして、家庭で酸素吸入を行なう場合、吸入のしかた、調節は必ず医師の指導に従う。
 睡眠剤、鎮静剤も自分がかってに使用してはならない。

C 入院を必要とする場合
 呼吸困難の激しいとき、胸痛やぜんそくのような状態が続き、チアノーゼをきたすような場合、発熱や喀痰の増加、意識障害(この入院は一刻をあらそう)、顔、手足にむくみが認められた場合は、入院しなければならない。

D 食事
 とくにタンパク質を豊かに取り、脂肪の不足もきたさないようにする食事は腹8分目とし、水分の不足をきたさないようにする。むくみのあるときは、医師の指示に従い塩分を制限する。



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