呼吸器 肺炎

熱 せき たん

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★ ウイルス肺炎

 どんな病気か
@ ウイルスに原因する肺炎
 熱、せき、たんと胸部X線陰影を主要症状とする病気であり、肺炎の中でウイルスに起因するものをいう。

 昔からよく知られている肺炎球菌という細菌に起因する肺炎は、ペニシリンが劇的な効果をあらわす。しかし、肺炎の中でペニシリンでは効果の上がらないものもあること、これが近年は肺炎の半数またはそれ以上を占めていることなどが明らかになった。

 こういうものの大多数はウイルス肺炎と考えてよい。

A 種類
 ウイルス肺炎をおこすウイルスには多くの種類がある。たとえば、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、コクサツキーウイルスなど。さらに、ウイルスの性質をかねそなえたマイコプラズマも、ペニシリンに応じないという意味で、ウイルス肺炎と同様に取り扱われる。

 ウイルス
 細菌ではなく細菌よりもずっと小さく、電子顕微鏡でなければ見えない病原体。そのうえ、人工的な培養期でも培養できない。

B どのようにして発見されるか
 ウイルス肺炎は、第二次大戦後、しだいに明らかにされたもので、患者のたんからは肺炎球菌、その他の菌は見いだしにくい。ウイルス肺炎は、熱のあと、またはかぜの症状のあと、X線写真を撮った場合に発見されることが多く、集団検診の際に数パーセントも発見されることがある。
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 X線写真の陰影のために、肺結核の初感染や再発を疑われ、検査の結果ウイルス肺炎はであることが分かる場合もしばしばあるので注意したい。

 なお、ウイルス肺炎のX線陰影は、ふつう数週間、ときには8週間で消失するので、一過性肺浸潤の一つでもある。

 ★ 症状と経過

@ 症状の特徴
 X線写真で陰影があり、血沈値がかなり増加する代わりに、自覚症状の訴えは少なく、せき、たんが比較的長く続く。

A 初期の症状
 おもに次のような症状がみられる。おおむね、かぜの強いものといった症状である。

 まず熱が出る。その程度はさまざまだが、38度を超す場合も多い。なかには発熱に気づかずに過ごすこともある。

 一両日後から、せきとたんが続き、せきは一般に頑固で長く続く。血たんの出ることもある。

 胸痛をうったえることもある。

 のどの痛み、またはのどの発赤をしめすこともある。

B 経過
 治療により、おもに次のような経過をたどるが、重症になることは、老人や幼児以外はまれである。

 X線写真の陰影は、治療を加えても3〜4週間から10週間くらいにわたって続く。

 せきもほぼ同じ期間くらいにわたって長く続く。

 熱は、治療を加えれば数日で下がることが多いが、ウイルスの種類によっては1週間またはそれ以上続く。

C 回復期

 X線陰影や血沈などがしだいによくなる。

D 併発症
 ときに胸膜炎(肋膜炎)を併発し、胸膜腔に液のたまることもある。鼓膜炎を併発することもたまにはある。

 ★ 治療

@ どんな検査が行われるか
 白血球数(細菌による肺炎との鑑別に役立つ)、胸部X線写真、血沈、喀痰検査、血清反応、うがい液または咽頭ぬぐい液の培養(マイコプラズマの検出)などが行われる。
 
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A 入院か家庭治療か
 老人や乳児は危険になることがあるので、入院を必要とすることがあるが、その他の場合は、ふつう家庭でも足りる。

B 治療期間
 寝ている期間は、数日ないし10日くらいのことが多い。

 熱は、前述の通り数日ないし10日くらいで下がることが多い。

 せきやたんは、解熱後もかなり長引くことがある。マイコプラズマによって起こった場合は、“大人の百日ぜき”ではないかといわれるほど頑固にせきの続く場合もある。

 X線陰影は、前述のとおり、早ければ2週間前後で消失し、長引けば10週間くらい続く。

C 薬
 ウイルス肺炎に対して強力に作用する薬は、まだ出現していないが、弱いとはいえ効果のあるものとして、ABOBが開発されている。ABOBの錠剤または 散薬を、発病初期に用いることができれば治療の補助となる。マイコプラズマによる肺炎に対しては、エリスロマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニ コールなどの抗生物質が効果的で、解熱をはやめる。

 せきに対しては、これらの薬もあまり効果的でない。別に鎮咳剤を用いるが、使用にあたってはもちろん医師の指示に従う。

 看護上の注意
@ 休養・安静
 初期、とくに熱のある間と、その後の数日間は、休養と安静が必要である。

A 食事
 熱のある間は、消化のよい物を選ぶ。おかゆは必ずしも必要でない。

 この食事の注意は、入院治療の場合も同じである。

B 治癒後
 特別の注意を必要としない。

 予防
@ 周囲にウイルス肺炎らしいものが多発している場合は、できるだけ遠ざかり、マスクなどを補助に用いる。

A インフルエンザウイルスには予防接種ワクチンがある。



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