消化器の病気 乳幼児の便秘症

下痢 便秘

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 ★ 乳幼児の便秘症

 どんな病気か
 下痢と同様に便秘もまた多いものであるが、ことに乳児ではやっかいである。人工栄養児、離乳期の乳幼児に多くみられる。

@ 放置すると2〜3日間も排便がなく、ときどき腹圧をかけて努力しているがいっこうに便が出ない。あるいは肛門が切れて出血するというものがもっとも多い。

A 治療しないと食欲がなくなり、不機嫌、不眠となり、腹部は膨満して嘔吐するようになる。

 原因
@ 母乳の不足、牛乳に添加する糖分の不足、また離乳期以後になって与える食餌中の不消化分(線維)が少ないため、糞便となる部分が少ないためにも起こる。

A 腸管の過度の緊張あるいは弛緩、腹筋の弛緩、内臓の下垂、運動不足など。

 精薄児、脳性小児麻痺の子どもにみられる便秘は、これに属するものが多い。

B 大腸のS字状部が広すぎたり、長すぎたり、せまい部分があったりすると便秘する。

 ヒルシュスプルング病、巨大結腸症、腸管狭窄症などと呼ばれる。

C 不規則な排便の習慣、下痢の連用、浣腸の連用などのための習慣性便秘。

D 肛門の狭窄、肛門の痛みのための便秘。

E 重い病気、幽門狭窄症、幽門けいれん症などで、じゅうぶんな食事が取れない場合に起こる。これは糞便となる内容がないためである。

 ★ 診断と治療


 食餌の種類と与え方、栄養状態と全身状態から重大な疾患の有無、神経性疾患の有無、腹部の状態、肛門の状態、排便の習慣などで原因を突き止める。

@ 母乳の不足による便秘
 牛乳あるいは粉乳をおぎなって乳児が満足するまで与えれば自然になおる。

A 牛乳に添加する糖分の不足による便秘
 乳児によっては糖分を多くすると下痢しやすいものがあるし、かなり多くしても便秘がちのものまで個人差が大きい。牛乳や粉乳の中へかなり砂糖を入れても便秘することがある。そこで人工栄養児が便秘するときは、発酵しやすい糖として蔗糖(市販の砂糖)ハチミツ、またはマルツエキスを牛乳、粉乳とは別に与えて見る。

 与え方は、蔗糖ならば5〜10%の液にして、ハチミツ、マルツエキスは約10%前後の液にして20〜30ccを1回量として、1日午前午後1回ずつ与える。無効ならば量や回数を増やす。
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 牛乳のなかに加える蔗糖の量を増し10%くらいにするのもよい。果汁や野菜スープのなかに蔗糖を加えてもよい。とにかく飲むように工夫する。

B 離乳期乳幼児の便秘
 成長とともに腸管の内腔も広くなるので、正常の便通を保つためには、ある程度の不消化物がある方がよいとされているから、離乳期にはくだもの、野菜類を多く与えるようにする。

 ミカン、リンゴ、トマト、バナナ、モモなどのくだもの、ハクサイ、キャベツ、大根、キュウリ、ナス、ニンジンなどの野菜を多く与えるようにする。

 寒天も効果がある。与え方は寒天10c(棒寒天1本)を300ccの水で煮て蔗糖15cとミカンあるいはリンゴのおろしなどを適宜に入れてゼリーをつくり、1個50〜60cに切って、朝、昼、夕1個ずつ与えるようにする。入れるくだものを変化させてあきないようにする。

C 腸管の過度の緊張、内臓の下垂あるいは弛緩による便秘
 腸管の蠕動の起こり方は個体差があって、腸管の緊張や小児によって程度がいろいろである。食餌では自由にこれを調節することはできない。腹部を暖めれば腸管は弛緩し、冷却すれば緊張する。また外から腹部をマッサージすれば、腸の蠕動を促す作用がある。

D 腹筋の弛緩、運動の不足による便秘
 これには赤ちゃん体操をやったり、つとめて運動をさせて訓練するとよい。

 精薄児や脳性小児麻痺で運動できない乳幼児では、いっぱんに便秘がちであるから、他動的にからだを動かしてやる。

E 腸管の奇形(拡大や狭窄)があって起こる便秘
 このような場合の便秘は重症で、高度のものでは腹部がふくれて、やせおとろえる。これは外科的手術で悪い部分を切除するより方法がない。軽いものでは成長とともに症状も軽快して全治する。

F 不規則な排便、下痢や浣腸の連用による便秘
 この習慣性の便秘の原因を突き止めて再検討して、規則正しい排便のしつけをし、下痢や浣腸のかわりに食餌療法を試みることが必要。

G 肛門の異状による便秘
 肛門の狭窄は手術で広げる。肛門の裂傷により痛みにはジフェンヒドラン軟膏を塗り、排便後は温湯で清潔にしておく。

H 重い病気、幽門けいれん症、幽門狭窄症の便秘
 それぞれの疾患を治せば、便秘は自然になおる。
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I 便秘の薬物療法と浣腸
 乳児では酸化マグネシウム、幼児ではさらにラキサトールも用いられる。浣腸は市販の浣腸薬でもよいが、グリセリンと浣腸器を求めて、グリセリン15ccと温湯15ccを浣腸器の中で混ぜ、体温くらいにして用いる。
 



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